「今の会社で、ずっと働き続けられる……?」。
かつてのように終身雇用が当たり前ではなくなった時代、将来の仕事に不安を感じる女性は少なくない。
かつてのように終身雇用が当たり前ではなくなった時代、将来の仕事に不安を感じる女性は少なくない。
転職を考えても思うような仕事に就けるのかわからない。では起業かというと、それはハードルが高くて自分にはとてもムリ――。選択肢はあまりに少なく、より一層焦燥感に駆られる。
そんな働く女性たちに、新たなキャリアの形を提案しているのが一般社団法人『キャリア35』の尾久陽子さんだ。
自分の力で収入源を確保する
ごく自然な起業の形
一般的に、起業というとバリバリ稼ぎ、華々しく活躍する女社長をイメージしてしまう。が、そうではなく、自分の好きなこと、やりたいことを小さなビジネスに変えていくスタイルでも、立派に起業はできるという。「女性の新しい働き方として、そんな“ローリスク起業”という選択肢も視野に入れてみてほしい」と語る尾久陽子さん。
「内閣府男女共同参画局による調査では、第一子出産後、62%もの女性が仕事を辞めていることが分かっているんです(出典:「平成24年版男女共同参画白書」)。出産後、運良く会社に復職できたとしても、終身雇用の神話は崩れていますし、そもそも会社が定年まで存続するかどうかも分からない時代。となると、自分の力で身を立てる起業は女性にとってもごく自然な選択肢の一つとなり、今後さらに増えていくのではないでしょうか」(尾久さん)
華々しいベンチャー起業家とは違う
身の丈スタートの“ローリスク起業”
ローリスク起業は、現在の仕事を続けながら少しずつ準備し、2~3年で収入をシフトしていく。もちろん、会社の服務規程もあるので、副業としてスタートできるかどうかはケースバイケースだが、人脈を広げたり、ビジネスプランを練るなど、段階を踏んで準備を整える期間を設ければ、不安もリスクもぐっと軽減する。いきなり会社を辞めることなく、身近なところから少しずつ計画して、ビジネスを作り上げていくのだ。
「ベンチャーブームの頃とは違い、1人で身軽にできることでお金を稼ぎたいという人がほとんど。占い師やアロマテラピー、フラワーアレンジメントなど、自分の趣味や好きなことを生かして小さくスタートし、いずれ生活できるだけの収入を得ようというのがローリスク起業の考え方なんです。最近は起業という感覚を持たず、好きなこと、やりたいことで収入を得たいという女性が増えているんですよ」(尾久さん)
それこそがまさに、尾久さんが提案するローリスク起業のスタイルだ。
さらに、起業すれば子育てや介護をしている場合でも、会社のように就業時間があるわけではないので、自分で働く時間を調整しやすい。また、自分で仕事を生み出すので、年齢に関係なく、仕事を続けていくことができる。
起業の種は、誰の中にもある
まずは外に向けた行動を
それでは、どんなビジネスで起業をすればいいのか? 特技や好きなことがある人、一つの分野にこだわりを持っていたり、のめり込める人は、それを活かす方法を考えればいいという。
「例えば、趣味を生かしたスクールやネット通販、子育ての経験を生かした学童保育や子ども向け英会話塾、社会保険労務士などの資格を取って個人事業主としてスタートするなど、様々な道がありますね。また、好きなことがない、特にやりたいことが見えないという人も、過去の経験を振り返ってみれば、人から褒められてうれしかったことが必ずあるもの。その時、うれしかったこと、楽しいと感じたことがビジネスの種になります。今から焦って何かを探そうとしなくても、自分自身の中にある価値観や持っているものを見つめれば、それが一つのキャリアにつながるはずですよ」(尾久さん)
将来のキャリアや働き方に不安を抱いているのならばまずは、ボランティアで興味のある分野の活動をしたり、その分野の友人を増やすなど、外の世界に出かけ、常にアンテナを張ることからスタートすればいいという。
「外向きの活動をしながら人と関わっていけば、趣味だけの世界から一歩踏み出すチャンスが広がります。そうすることで、自分の好きなこと、そして、できることも磨かれていきますし、自己実現につなげていくことができるはずです」(尾久さん)
ローリスク起業という新しい働き方を視野に入れ、少し行動範囲を広げてみることで、次のキャリアの選択肢が見えてくるようだ。
WOMAN TYPE より全文転載しました。
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